キミに恋の残業を命ずる
「それになにが一番つらいって朝だよ。ここの社員って残業できないからみんな出社が早いだろ?俺はそれよりももっと早く起きて、人目に触れないよう下に行かなきゃならない。
自由気ままな生活をしていた身としては、過酷過ぎるよ…。世のサラリーマンはよくこんな大変なこと何十年もやるよねぇ」

「はぁ…」


…それでさっき居眠りしていたんですね…。

海外生活が長くて時差ボケが治らないとばかり思っていたけれど、なんてことはない、ただの不規則生活のつけがきただけ…。

なんか、夏休みをだらだら過ごしきった学生みたいだな…。



「ぷ…」



急に、意味不明な笑いが込み上げてきた。



「あは、あはははは」



笑い始めたら、もうおかしくておかしくて涙が出てきてしまった。

緊張も一気に抜けて行って、課長がちょっと身近な存在になった気がした。
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