恋はØ円❥» ➸



ーーキーンコーンカーンコーン…




「春花、起きて!」



「……んっ、」




目を開けるとクラスメイトの千佳(チカ)の顔が目の前にある。




「おはようございます、春花さん。」


「オハヨウゴザイマス……。」





黒板を見るにどうやら、歴史の授業だったらしい。




「近頃居眠り多いよね、春花。」


「そんなことないよっ。」




いや、よく考えればそうかもしれない。


最近、和也と健斗がはまり込んでずっとしているゲーム。

そのまま朝までやり込んでしまうくらい面白いのだろう。



だから遅くて12時まで待って、辞めさせるようにしている。


学業がおろそかになってしまっては大変だからなぁー。




・・・と言う私が、1番おろそかにしてしまっている。




私の家は貧乏なんだから、いったん授業がわからなくなっても、塾に行けるようなお金はない。




そんなものにお金を出すくらいなら、初めから一回で覚えればいいのだから。




私は頭良くないからそんな事は出来ないけれど、何回も努力して書いていったらきっと身につくものだろう。




何気ない気持ちと、


何気ない行動が、


いつか私たち家族に祝福を与えてくだされば良いのに。



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