恋はØ円❥» ➸
さて、今日も春兄の出るテレビがあるから帰るとしようか。
バックを片手に教室の扉に手をかける。
ーーバンッ!
すると、開けようとしていた扉が無くなり、海斗が現れた。
「お、春花!もう帰んのかよ?今日みんなでカラオケ行こうかってなってんだけど、一緒に行かね?」
「ごめんっ!用事あるんだ。悪いけどみんなで行ってきてよ。」
私は手を振って教室を出た。
「…思えば春花って、放課後はいっつも用事あるよね。」
「千佳が誘ってもダメなんだ…。」
「家の事情も複雑だし、無理にも誘いたいけど誘えないのよ。今日も疲れてたみたいだし…。」
「それをアイツ、俺らに隠すしな。」
「心配かけたくないのよ。」
「優しいもんな。」
「海斗は春花好きだし余計きになるんでしょう?」
「ーー……はっ⁉︎ ば、ばかじゃねーの⁉︎?別に好きじゃないし。俺もう行くよ!」
海斗は乱暴にバックを掴むと、顔を赤くして教室から走って出て行った。
「二人とも、素直じゃないんだから…。」