一文字一物語 〜かきくけこ〜


その夜。

ピーンポーン



彼女が俺の家に来た。


「…何の用。」

「…ごめんなさい。」

「え?」

「かのか、おうちに帰って考えたんだ。
ママとお話したらね、『ごめんなさいしたら仲直りできるよ。』って言ったの。
だから…」


俺は?

何も考えてなかった。

家でゲームして菓子くってただけ。


それなのにかのかは…


「りょう君、ごめんなさい。」


悪いのは俺なのに。




しゃくりあげる彼女に俺はただ


「あぁ、うん。
俺も悪かった…」


たったそれだけ。

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