一文字一物語 〜かきくけこ〜
「わー、高いねー。」
「あたりめーだろ。」
「普通はうん、そうだね、とか言うのよ」
「へいへい。」
こいつはなんでこんなに世話やきなんだろう。
「あ、ここ頂上みたいだね。」
「あぁ。」
「あのね…」
不意に真面目になった声のトーンにドキリ、とする。
「私、アンタのこと好きなんだけど。」
「…は?」
我ながらマヌケな声が出た、なんて思う。
「だから、アンタが好きだって。」
「って?付き合ってって…?ことか?」
「そ。」
「…お前おせーよ。」
「え、それっていいよ、ってこと?」
「あぁ。」
小さな街並みを背景に微笑むコイツを見て
やっぱり可愛い、なんて思った。
か 〜観覧車〜