一文字一物語 〜かきくけこ〜


「りょう君のばか!」

「ばかって言った方がばかじゃないの。」

「もういい。りょう君なんてしらない!」



多分6歳とか、そのくらいの時だったと思う。


理由なんてしょーもない事だったと思う。




俺はやりすぎたんだ。


目にいっぱい涙をためて反抗してきた女の子。


俺はその子の事が好きだった。
その子の笑顔が。


だけど、バカな俺は怒らせてしまった。
泣かせてしまった。





もう知らない、と言った彼女はくるりと向きを変え、走り去っていった。


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