自己満足 いちゃいちゃ
好きなだけ

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「藤ヶ谷ー」


「どうしたの?」


隣で雑誌を読んでいたひろの声に反応する


「太輔ー」


「なにー?」


今度の休みに行きたいところが決まったのだろうか


美味しそうな食べ物の写真でも載っていたのだろうか


「ねぇたいすけー」


「ひろどうしたのー?」


ほんの少しだけ体を傾けてきた
俺の耳にふわりと髪がかかる


「たいー」


「んー?」


雑誌は既に持ち主を失っていた

体育座り

膝を抱えながら

目線はそのまま

こんな時は決まって


「...うん」


「...うん?」


そして次はきっと


「なんでもない」


ほらね


「そっかー」


「うん」


元の位置へ戻り
再び雑誌を開き直す


今何を言おうとしたの?
なんて
分かりきっていることを聞く
そんな野暮なことはしないから


「...俺もだよ」


「えっ?」


思い切りこちらに振り向いた
くりくりとした大きな瞳が
俺を捉えて離さない


「俺も、だよ」


「...ん」


これで伝わる
これだけで分かる


お互いがずっと
そう思い続けられたらいいな


「んふふ♡」


「顔うるさいぞっ」


「うわぁ傷つく(笑)」





『愛してるよ』




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