凸凹リレイション
「ちょっ……」
「いいでしょ。ちょっとだけ」
「でも……あっ」
思いがけないような自分の声に、香苗は恥ずかしくなる。だけど、忠志の手の動きは止まらない。そのたびに体中を駆け巡る感覚に、身をよじる。
(どうしよう。初めてなのに。こんな、……勢いみたいな)
嬉しい気持ちよりも戸惑いの方が先に立っていた。忠志の腕の中でもがくものの、彼の力の方が強い。
「やっ、忠志くん」
「好きだよ、香苗。大丈夫、優しくするから」
「でも、……んんっ」
服の中へ侵入する忠志の手。冷たさに体を震わせたが、ふさがれたままの唇からは声が出なかった。止まることがない刺激に息を荒げているうちに、忠志は難なく香苗から衣服を奪いとる。
(どう、しよう)
呼吸が苦しくて、思考回路が止まりそうになる。
目の前の出来事が信じられなかった。いつかそうなるかもしれないとは思っても、それが今日だとは考えてもいなかったのだ。空気が肌に触れることが恥ずかしくて、香苗はもう目を開けていられなかった。
その間も、忠志の動きは止まらず、香苗の口からは悲鳴に似た声が何度か漏れる。
「つけるから……いい?」
耳元でささやかれた忠志の言葉に、香苗はハッとして目を開ける。
いつの間にか電気が消されたおり、視界の端にうっすらと散らばる自分の服が見える。そして同じように裸の忠志が、自分に覆いかぶさっている。
顔に熱が集まってくるのを感じて、香苗は再び硬く目を閉じた。
「……や、恥ずかしい」
「綺麗だよ」
忠志が首筋にキスを落とす。香苗は身震いがして、変な汗が出てきていた。
「きっと、勝たちも今お楽しみだよ。だから、……俺たちも楽しもうよ」