凸凹リレイション
*
昼休憩も終わろうという時間、琴美と気まずい香苗は教室にも居づらく、校舎裏をプラプラと散歩していた。そこに後ろから声をかけてきたのは俊介だ。
「あーいたいた。松崎、捜してたんだよ」
「なによ」
「お前、我妻とちゃんと話した?」
「してない。逃げられてる」
「マジかー」
頭を抱えるようにして落ち込むそぶりを見せる俊介。オーバーアクションで、いちいちウザい。落ち込んでるときに見ると余計だ。香苗は気分そのままに大きなため息をついた。
「明日美、私の話聞いてくれる気ないみたい。付き合ってるんならアンタから言ってよ」
「は? いや。付き合ってるとかそんなんじゃねーけど」
「だって、家まで来てたじゃん。昨日、デートだったんじゃないの?」
「デートって……。一緒に出かけたけど三人でだぜ? ホラ我妻がいつも一緒にいる川野もいた」
「なんだ」
(彼氏じゃないのか)
拍子抜けした気分だった。そして納得もする。
だから、明日美は昨日の光景を見て逃げ回っているのか。好きな男が、他の子と抱き合っていたから?
(逃げるくらいなら確かめればいいのに)
呆れた気分で香苗は俊介に尋ねる。
「家の前まで来るくらいだから、付き合ってるんだと思ってた。好きなの? 明日美の事」
「なんで女ってすぐそっちに行くわけ? 友達だって一緒に出掛けるだろ」
「私はそうだけど。明日美はそういうタイプじゃないもん。からかうだけならやめなさいよ」
「別にからかってもないよ。……好きとかは分かんないけどさ。なんか気になるんだよ。大人しそうにしてるけど、たまに話すことは面白いしさ。趣味合うし」
「へぇ」
明日美と話して面白いなんて言う男は初めて聞いた。やはりそれなりに気が合っているということだろう。
昼休憩も終わろうという時間、琴美と気まずい香苗は教室にも居づらく、校舎裏をプラプラと散歩していた。そこに後ろから声をかけてきたのは俊介だ。
「あーいたいた。松崎、捜してたんだよ」
「なによ」
「お前、我妻とちゃんと話した?」
「してない。逃げられてる」
「マジかー」
頭を抱えるようにして落ち込むそぶりを見せる俊介。オーバーアクションで、いちいちウザい。落ち込んでるときに見ると余計だ。香苗は気分そのままに大きなため息をついた。
「明日美、私の話聞いてくれる気ないみたい。付き合ってるんならアンタから言ってよ」
「は? いや。付き合ってるとかそんなんじゃねーけど」
「だって、家まで来てたじゃん。昨日、デートだったんじゃないの?」
「デートって……。一緒に出かけたけど三人でだぜ? ホラ我妻がいつも一緒にいる川野もいた」
「なんだ」
(彼氏じゃないのか)
拍子抜けした気分だった。そして納得もする。
だから、明日美は昨日の光景を見て逃げ回っているのか。好きな男が、他の子と抱き合っていたから?
(逃げるくらいなら確かめればいいのに)
呆れた気分で香苗は俊介に尋ねる。
「家の前まで来るくらいだから、付き合ってるんだと思ってた。好きなの? 明日美の事」
「なんで女ってすぐそっちに行くわけ? 友達だって一緒に出掛けるだろ」
「私はそうだけど。明日美はそういうタイプじゃないもん。からかうだけならやめなさいよ」
「別にからかってもないよ。……好きとかは分かんないけどさ。なんか気になるんだよ。大人しそうにしてるけど、たまに話すことは面白いしさ。趣味合うし」
「へぇ」
明日美と話して面白いなんて言う男は初めて聞いた。やはりそれなりに気が合っているということだろう。