放課後、キミとふたりきり。
始動
情報の漏洩
*
突然教室に響き渡った音に、みんな一斉に廊下の方を見た。
箸でつまんだからあげが、ぽろりと落ちる。
慌てたけれど、からあげは空だったお弁当箱の中に落ちて無事だった。
大好きだから最後にとっておいたのに、床に落ちたら悲しすぎる。
ほっとしながらわたしも廊下の方をに目をやった。
ドアを叩きつけるように開いたらしい男子生徒が、入り口に立っている。
うつむいていてその顔は見えないけれど、染めて痛んだ短い髪で、それが誰なのかはすぐにわかった。
「なんだよ栄田。ドアぶっ壊れんだろ~」
近くにいた男子がからかうように声をかけても、彼は無反応だ。
ドアを開けた態勢のまま、一時停止のボタンを押されたように固まっている。
突然教室に響き渡った音に、みんな一斉に廊下の方を見た。
箸でつまんだからあげが、ぽろりと落ちる。
慌てたけれど、からあげは空だったお弁当箱の中に落ちて無事だった。
大好きだから最後にとっておいたのに、床に落ちたら悲しすぎる。
ほっとしながらわたしも廊下の方をに目をやった。
ドアを叩きつけるように開いたらしい男子生徒が、入り口に立っている。
うつむいていてその顔は見えないけれど、染めて痛んだ短い髪で、それが誰なのかはすぐにわかった。
「なんだよ栄田。ドアぶっ壊れんだろ~」
近くにいた男子がからかうように声をかけても、彼は無反応だ。
ドアを開けた態勢のまま、一時停止のボタンを押されたように固まっている。