放課後、キミとふたりきり。
敵前逃亡
*
教室の後ろの入り口から、黒いスマホに視線を落とす横顔を見つめる。
これくらいの距離がちょうどいい。
いつも離れた席に座る彼の横顔を見つめていたので、角度的にも安心する。
しばらくそうして観察していると、手の中のスマホから通知音が響き飛び上がった。
音に気付いた矢野くんもわたしに気付き、不審そうな目を向けてくる。
「何してんだよ、そんなとこで」
「あはは……。えっと、ごめんね。席外して」
「別にいいけど。さっき別の写真班の奴来て、追加で置いてったぞ」
「えっ? そ、そうなの? そっか……じゃあどんどん貼っていかなきゃだね」
急いで林くんの席に戻ると、確かにまた数十枚枚写真が増えていた。
矢野くんはすでに写真を切り始めていて、わたしも急いで途中だった飾りの貼り付けを済ませる。
次の写真をと手を伸ばした時、スマホからまたピコンと通知音が響き、肩が跳ねた。
教室の後ろの入り口から、黒いスマホに視線を落とす横顔を見つめる。
これくらいの距離がちょうどいい。
いつも離れた席に座る彼の横顔を見つめていたので、角度的にも安心する。
しばらくそうして観察していると、手の中のスマホから通知音が響き飛び上がった。
音に気付いた矢野くんもわたしに気付き、不審そうな目を向けてくる。
「何してんだよ、そんなとこで」
「あはは……。えっと、ごめんね。席外して」
「別にいいけど。さっき別の写真班の奴来て、追加で置いてったぞ」
「えっ? そ、そうなの? そっか……じゃあどんどん貼っていかなきゃだね」
急いで林くんの席に戻ると、確かにまた数十枚枚写真が増えていた。
矢野くんはすでに写真を切り始めていて、わたしも急いで途中だった飾りの貼り付けを済ませる。
次の写真をと手を伸ばした時、スマホからまたピコンと通知音が響き、肩が跳ねた。