放課後、キミとふたりきり。

矢野くんと目が合い、誤魔化すように笑った直後、今度は続けざまに２度、３度音が鳴り慌ててスマホを確認する。


失敗した。

通知を切っておけばよかった。


そう思って設定を変更している間にも、メッセージは次々と届いていた。

内容はほぼ、さっき教室に戻る前にわたしが送信したメッセ―ジに対するみんなの反応だ。



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（わたしの代わりの人を、決めておいてください）＜千奈

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矢野くんを苛立たせてしまった不甲斐なさに送ったメッセージ。


やっぱりいくらわたしががんばろうと思っても、相手がわたしを嫌っているんじゃ意味がないんだ。

明日までに心を開いて、彼の口から真実を語ってもらいたいのに、相手がわたしじゃ最初から矢野くんの心の扉には厳重な鍵がかかっているようなものだ。