放課後、キミとふたりきり。

うちのクラスの担任、化学教師の小森先生が茅乃の好みにぴったりらしい。

優しく穏やかな先生で人気だけど、うっかり者で少し頼りない人なのだ。


しょっちゅう配布物を職員室に忘れてくるし、授業の変更もよく伝え忘れる。

白衣にコーヒーの染みをつけているのはもはやデフォで、先日はクリーニングのタグもつけっぱなしになっていた。

それを指摘されても慌てるでもなく、のほほんと笑っている人。

それがこのクラスの担任、小森先生なのだ。


美人でグラマラスな、大人っぽい茅乃は、そういう小森先生のダメなところがたまらないらしい。

同年代より母性が強いのだと言っているけれど、年下にはその母性は発揮されないようなので、やっぱりただ好みが一般的じゃないというだけなんだと思う。
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