放課後、キミとふたりきり。
何を隠そう、わたしがそうだから。
矢野くんが転校することを教えてもらえなかったことが、とてもショックだ。
同じ学級委員をやっているというだけで、栄田くんのように彼と特別仲が良いわけじゃないのに。
それでもとても、ショックだった。
だから矢野くんの親友である、栄田くんの衝撃は計り知れない。
職員室でたまたま耳にしなければ、矢野くんが転校することを知らないまま、明日の別れを迎えていたかもしれないのだ。
きっととても傷ついただろう。
「お別れ会とか……やりたくない?」
「明日、やる?」
「矢野本人が何も言ってねーのに?」
「だよな。何であいつ何も言わねーんだろ」
「言ってくれたら、色々できたのにね……」