放課後、キミとふたりきり。
いつも笑顔で明るい栄田くんが怒る、珍しい姿に戸惑う。
どうして彼が怒るのかわからない。
「で、でも。たぶん藤枝さんなら出来ると思う。わたしなんかより、よっぽど上手く聞き出せるんじゃないかな……」
「千奈はどうして藤枝さんなら出来ると思うわけ?」
「それは……」
みんなの視線に恥ずかしくなりうつむく。
自分の気持ちを話すのは苦手だ。
内面をさらけ出すようで、恥ずかしいしこわい。
「話しをしているふたりが……自然だったから。アルバムを買いに行った時に藤枝さんに会って、まるでまだ付き合ってるみたいに話してた」
なんだかこれじゃあ、わたしが藤枝さんに嫉妬していると白状しているみたいだ。
赤くなっていいんだか、青くなっていいんだかわからない状況に、泣きたい気持ちになってくる。