放課後、キミとふたりきり。
栄田くんはただひたすら、矢野くんを大切に想っている。
それに比べてわたしは何をやっているんだろう。
嫌われるのがこわいとか、どうせわたしなんてとか、自分のことばかり。
わたしのことはどうでもいいんだ。
矢野くんに感謝しているなら、矢野くんが大切なら、矢野くんのことが好きなら……自分のことは二の次にして、いまできることだけを考えよう。
「……そうだね。それは悔しいってわたしも思う」
ぎゅっと手を握りしめ、覚悟を決めた。
「わたし、もう一回がんばってみるよ」
「沢井さん!」
栄田くんの顔が輝く。
あんまり嬉しそうだから、わたしも嬉しくなって微笑んだ。
「さすが学級委員!」
「元カノなんかに負けるな!」
他の男子にもそんなエールをもらい照れくさく思っていると、親友が「もう、男子はまじ黙れ!」と彼らを追い払う。