放課後、キミとふたりきり。
散々な言いように苦笑してしまう。
年上好きの茅乃は、同年代の男子への評価が日ごろから辛い。
でも、最後の部分は強く共感できた。
「うん。矢野くんのこと、大好きなんだろうね」
女の子にはモテないらしいけど、男子には大人気の栄田くん。
彼に男友だちがたくさんいることはみんな知っている。
同じ学年の男子は全員彼の友だちなんじゃないかというくらい、栄田くんは人気者だ。
その理由がいま、少しわかった気がした。
ちなみに栄田くんは女友だちも多い。
それが恋愛にはひとつも発展しないと、よく嘆いているけれど。
「あいつに言わせるとか、俺ムリ。ボロ出す自信ある」
「あー。栄田はなぁ。口軽いから……」
「確かに……」
「矢野の転校のこともソッコー俺らにバラしてるしな……」
「クラス全員にな……」
「う、うるせーよ! じゃあお前らやれよ!」