放課後、キミとふたりきり。
結局彼にはムダな時間を過ごさせてしまった。
視聴覚室で待ってくれているみんなにも、役に立てなくて申し訳ない気持ちが溢れてくる。
ふたつ並んだ机の上の、作りかけのアルバムを見て涙が出そうだった。
せめて、このアルバムを完成させよう。
せめて、矢野くんへのみんなの感謝の気持ちを伝えよう。
せめて、同じ学級委員として、彼にたくさんお世話になったお礼を伝えよう。
せめて……。
矢野くんを中心に、各ページいっぱいに貼られたクラス写真。
わたしも小さく控えめにその中に入れてもらっている。
笑顔であふれたアルバムを見返した時、矢野くんはこのクラスを思い出し、懐かしく、惜しく感じてくれるだろうか。
このクラスで良かったな、と。
もっとこのクラスにいたかったな、と。
そう、微笑みを浮かべてくれるだろうか。
残り少なかった写真を貼り終え、フキダシの付箋やマスキングテープも準備が済んだ。
大きなペンケースからペンを取り出し、キュポッとフタを取る。
さあ、最後の仕上げだ。