放課後、キミとふたりきり。

「矢野くん。これ」

「え。もしかしてもう完成したのか?」

「うん」


矢野くんは頭を抱えるようにしてうなだれた。


「うわー、マジでごめん。俺なんにもしてねぇじゃん」

「瞬ってば役立たず~」

「うぜぇ! つーかお前のせいだろうが!」

「はあ? 人のせいにするなんてサイテー」

「実際そうだろ! お前が邪魔すっから俺は……」


「矢野くん」



もうこれ以上、ふたりの仲の良さを見せつけられるのがつらくて、無理やり割りこんだ。

ぐいと彼にアルバムを押し付けるようにすれば、反射で受け取ってくれる。


アルバムの重みが消え、軽くなった手を背中に隠した。



「これは、矢野くんに」

「俺にって、俺が管理しろってこと? 教室に置いておけばよくね? 持って帰って、明日また持ってくるとかめんどいし」

「明日持ってくる必要はないよ」

「は? なんで……」

「これは、矢野くんにあげるアルバムだから」

「俺? いや、小森の誕プレだろ?」
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