放課後、キミとふたりきり。
どう説明しようか迷いながら、ふたりにしっかりと頭を下げた。
「えっ!? さ、沢井さん?」
「ごめんなさい。やっぱり……上手くいかなかった」
泣きたいのを誤魔化すようにわたしが笑えば、下手な作り笑いだったのか、茅乃と栄口くんは眉を寄せ顔を見合わせた。
「上手くいかなかったからって、千奈が謝ることじゃないから。誰も千奈が簡単にやってのけるなんて思ってないよ」
「そうそう。なんたって相手はあの矢野だし。ダメもとって奴だったんだからさ」
「……ありがとう。でも、勝手なこともしちゃったの。明日サプライズで渡す予定のアルバム、いま矢野くんに渡してきちゃって」
「それは別に構わないと思うけど……」
「明日のサプライズのことを矢野に話したってこと?」
「ううん。それは言ってない。ただ、アルバムは最初から矢野くんに渡すつもりだったってことは伝えた。それできっと、意味はわかってるよね……」