放課後、キミとふたりきり。

だらだらと、背中を嫌な汗がつたっていく。


「だよな。矢野と同じ学級委員だし」

「え、え、ちょ」

「なんか学級委員だけ残んなきゃいけない用事考えてさぁ」

「ちょ、ま、待って……っ」


私だってムリだよ!

同じ委員というだけで、全然仲良くなんてないことは、みんなも見てたらわかるはずじゃん!


そう叫べたらどれほどよかったか。


言えない。どうしても言えない。

人に頼られると、断れない性分なのだ。

役割を与えられると、それがどういう内容であってもがんばらなくちゃと思ってしまう。

子どもの頃からそうだった。


助けを求めて茅乃を見たけれど、親友はなぜかにやにやと薄く笑いながら黙って見るだけで、救いの手を差し伸べてくれる様子はない。

それどころかニヤニヤと、妙に楽しそうに見える。

わたしがこういう状況が苦手だと知っているくせに、薄情すぎじゃないかな。
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