放課後、キミとふたりきり。
「そうかもね。だからいいの」
「だからって?」
「わたしの大切な人たちが笑ってくれるから、いいの。笑ってくれるのが嬉しいの」
「沢井……」
「矢野くんにはわたしが面倒なことをいつも押し付けられてるように見えてるかもしれないけど、そこはそんなに重要じゃなくて。わたしにとって大事なのは、わたしが役に立つことで、誰かが笑顔になってくれることだから」。
野外学習の時も、買い出しのことでたくさん感謝してもらえた。
体育祭の時は応援旗は未完で終わったのに、みんなすごいと盛り上がってくれた。
文化祭の時はみんなに支えられながら、千奈がいてくれて良かったと言ってもらえた。
自信はない。でも断れない。
仕方なく引き受けることは多いけれど、嫌だと思ったことはなかった。
こんなわたしを頼ってくれたんだから、少しでも役に立てるようにしたいと、いつもそう思っている。