放課後、キミとふたりきり。
「ふたりともおめでとう!」
「おめでとう千奈! よくがんばった!」
「おいやったな矢野!」
「俺たちに感謝しろよ!」
「そうだそうだ! 俺らがいなかったら、絶対うまくいってねぇかんな!」
「よかった~! 千奈が幸せになれてよかったよお」
「みんなふたりのこと、ずっと応援してたんだから!」
「そうそう。はやくくっつけよーってね」
「いやあ、めでたい! これで俺らも安心して学校生活を送れるな!」
口々にそんなことを言って、ハイタッチまでし合って盛り上がるクラスメイトたちを、わたしと矢野くんは呆然と見るしかない。
いったい何が起こってるんだろう。
さっきまでここにはわたしと矢野くんふたりきりで、みんなは視聴覚室にいて、わたしは作戦失敗でみんなに『ごめん』とメッセージを送って、それで、それで……。