放課後、キミとふたりきり。
僕らの放課後
*
終業のチャイムが鳴り響く。
担任の小森先生が教室を出ていき、ガタガタとイスを引く音があちこちであがる。
わたしも机の中の道具を通学鞄にしまい立ち上がったところで、すぐ横に誰かが立った。
「千奈~! ちょっとお願いがあるんだけど~」
「由香ちゃん。どうしたの?」
「今日部活の準備当番だったのすっかり忘れてて。すぐ行かなきゃなんだけど、掃除当番代わってくれないかな~って」
拝むように両手を合わせうかがってくる由香ちゃんに、つい「いいよ」と反射で返しそうになる。
けれど教室の後ろのドアにもたれるようにして、こっちを見ながら待っている人の姿が目に映り、口癖のような「いいよ」を飲みこんだ。
「えーと……ごめん。実はこれから映画を観に行く約束をしてて……」
ぼそぼそとわたしがそう言うと、由香ちゃんは目をまん丸にした。
わたしが断るとは予想もしていなかったのかもしれない。
終業のチャイムが鳴り響く。
担任の小森先生が教室を出ていき、ガタガタとイスを引く音があちこちであがる。
わたしも机の中の道具を通学鞄にしまい立ち上がったところで、すぐ横に誰かが立った。
「千奈~! ちょっとお願いがあるんだけど~」
「由香ちゃん。どうしたの?」
「今日部活の準備当番だったのすっかり忘れてて。すぐ行かなきゃなんだけど、掃除当番代わってくれないかな~って」
拝むように両手を合わせうかがってくる由香ちゃんに、つい「いいよ」と反射で返しそうになる。
けれど教室の後ろのドアにもたれるようにして、こっちを見ながら待っている人の姿が目に映り、口癖のような「いいよ」を飲みこんだ。
「えーと……ごめん。実はこれから映画を観に行く約束をしてて……」
ぼそぼそとわたしがそう言うと、由香ちゃんは目をまん丸にした。
わたしが断るとは予想もしていなかったのかもしれない。