放課後、キミとふたりきり。
「拍手~」という栄田くんの声に合わせ、クラスメイト全員が拍手をする。
発案者であるわたしも小さく手を叩きながら矢野くんの反応をうかがった。
却下されたらどうしよう、とドキドキする。
「ふーん。アルバムね。いいんじゃね?」
その答えを聞いた瞬間、よし! と小さくガッツポーズをした。
多少興味の薄そうな言い方ではあったけれど、王様からOKが出たのだ。
生まれて初めて、自分の出した意見を肯定された気がした。
「だろだろ? これ、考えたの沢井さんだから!」
まさかここで名前が出されると思っていなかったわたしは驚き、ガッツポーズのまま固まってしまった。
矢野くんが意外そうにわたしを見てくるので、更に硬直して動けなくなる。
「へぇ。沢井が考えたのか」