放課後、キミとふたりきり。
「そう! 沢井さんって美術部で美的センスもあるだろうから、アルバム作りも担当してもらうことにした! だからお前もアルバム担当な!」
任せたぞ、というように栄田くんに背中を叩かれ、矢野くんが怪訝そうな顔をする。
「はあ? なんで俺? 俺むしろそういう何か作るのとか苦手なんだけど」
「でも同じ学級委員じゃん?」
「いや、学級委員関係なくね?」
「ないな」
「ないのかよ」
しっかりしろ栄田。
と、ななめ後ろの席の男子が呟くのが聞こえた。
わたしも冷や汗をかきながら、心の中でがんばれと栄田くんを応援する。
「ないけど、矢野と沢井さんは基本教室で作業してもらって、各班の動きをチェックしといてほしいわけよ」
もっともらしい栄田くんの説明に、矢野くんは不本意そうにしながらも頷いた。