放課後、キミとふたりきり。
「買い物だよ。あいつら散々ワガママ言っておいて、自分たちが買う予定だったものも、全部沢井に押し付けたんだろ? で、準備万端の状態で、あいつらはカレー作っただけだったじゃねぇか。いいように使われすぎだろ」
矢野くんの言っていることが何なのか思いあたり、大きくうなずく。
食材の買い出しが女子の担当になったのだけれど、色々あってわたしがひとりで行くことになったのだ。
「あれは、そういうんじゃないよ。ふたりが部活で買いに行けそうにないから頼まれて……」
「いや、ちがうだろ。だったらお前に頼まなくても、自分の家族に頼めば済む話じゃねぇか。おかげで女子の中でおまえひとり、重いもん持って来るはめになったんだぞ」
「お、重かったけど、運べないことはなかったよ。それに当日はわたし、ほとんど何もしないで見ているだけだったし……」