Who?
僕は表情には出さないが、女性と接するのが苦手だ。苦手意識が女性との距離を掴み損ねている要因かもしれないが、それでも交際経験はそれなりにある。一種の矛盾めいた者が僕を構築し僕を存在し得る要因だ。僕の何に惹かれるかはわからない。愛嬌か話し方かポテンシャルか。何度か聞いたことがあるが微妙にはぐらかされた。大抵、女性は何か照れているときや後ろめたいことがあると笑顔ではぐらかすバリアめいたものがあり、見事に男は踏み込めない、僕にも踏み込む勇気はなく、それ以上追求することはなかった。女性を研究対象にするのもいいかもしれないが、研究したところで何もわからないだろう。それだけ男から見れば女性は複雑怪奇であり、女性から見えれば男に対して同じことを思っているのかもしれない。男女間の体と体は交わるが、精神性まで交わるかというと甚だ疑問である。こんなことを考えていて僕にメリットはあるのだろうか、いや、ないだろう。思考は疲労を蓄積し、睡眠までの過程を大幅に短縮させるから厄介だ。数学者に頭髪が少ない者が多い理由も納得せざるを得ない。前頭葉付近はぴりぴりと痛み、頭は重くなる
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