Who?
「高そうですね」
「質が良ければそれなりにするわよね。インテリアとしても見栄えするし」
 と太った女はいったがベット下から宝石石鹸が出現した時点で、インテリアの概念から外れているらしい。当人がそれに気づかないでいっていることは明らかだろう。
 僕は宝石石鹸を太った女に返した。
「読書が好きなんですか?」
「知識が詰まってるからね。どれも過去よ」
「過去?」
「知識は過去。知恵は未来。そう思わない」
「知識はインプット、知恵はアウトプット。ということですかね」
 太った女は、はっ、とだらしなく口を半開きにした。
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