Who?
事実、僕の下半身は硬直しつつあり、欲求の黄色信号が止まり、いつなんどき青信号に変わるかわかったものではない。欲求の鎮火を待つか、そのまま突き進めかのせめぎ合いは苦痛で仕方ない。
 太った女性は僕の下半身をさすってきた。それも湾曲した部分を撫で、適度に強弱を加えている。男を楽しませる術を彼女は持っていた。僕は目をつむり、歯を食いしばった。考えてみれば、なぜ僕は欲求に抗おうとしているのだろう。別に、太った女性と一夜を共にしたところで問題はない。なるのは欲求の解消だけだ。
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