Who?
「プロの前ではアマチュア以下だよ」
「アマチュアより下があるんだ」
「乳牛にランク付けがあるように。上下の優劣はつけなければいけないからね」
「難しい世の中ね」
 井上ユミは缶ビールのプルタブを捻った。プシューと泡が漏れた。アオイもビールは飲みたかった。察したように井上ユミはアオイに一缶手渡した。
 ビールは青空で飲むのが一番、アオイは空を見上げ思った。酔いも早く、太陽の下は心地よかった。心地よさに目を閉じ、空気の音を聞いた。風が鳴り、湖の息吹が聞こえた。
 ドラムの音も。
 どこかで演奏しているのだろうか。
< 174 / 250 >

この作品をシェア

pagetop