Who?
「大丈夫。怖くないから。今を変えられるのは今よ。体験が基調となる日が来る。忘れてはだめ。感覚を楽しんで。アオイと演奏したい」
 井上ユミの目は真剣だった。なぜそこまで真剣になるかわからないほどに。
 バンドメンバーは、なんなんだよ本当に、と文句を垂れつつも、場の変化を楽しんでいるようだった。場の空気は確かに変わった。好奇心が勝っていた。空気の色は白。何色でも染まりそうなほどに無限の好奇心と可能性が広がっていた。周囲も、ざわついた空気に呼応し、わんさかと人だかりができた。ミニコンサートの様相を呈していた。
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