Who?
唇と唇は重なり合い、触れ合い、溶け合い、音の共鳴を確認するように絡み合った。目を開け、目を閉じ、互いの頬に触れ合い、身体をを弄り、彼女の胸を荒々しく揉みしだいた。はっと彼女の声は漏れ、漏れた声を聞く度に彼は欲情し、ビールを口移しで飲ませ。彼女の頬は少し赤らんだ。
「いいじゃない」
 彼女は口角を上げた。
 アオイは井上ユミの首筋を攻め、抱きかかえ、ベッドまで連れていった。互いが互いに類人猿だということを思い出すように、獣ように荒々しく野性的に奏で合った。落ち葉のように揺らめく彼女の息遣いを拾うように彼は唇を閉じ舌先で息吹を注ぎ込んだ。
 彼女の内部に侵入したとき無限に広がる雪原の中に差し込む一筋の光のように温かく、熱を一点に凝縮された。
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