Who?
「ようやく喋ってくれた。女性だったのか。幸運だな。少なからずわたしの研究が、なにものかに狙われているのはわかっていた。そう、記憶、に関してのデータだ。知ってるかい?記憶と夢というの密接に緊密に関わりあっている。たまに、忘れていた人物の顔がふと夢に出現する時があるだろう?もしその記憶を夢に書き換えることができたら?とかわたしは考えてしまったのが運の尽きだったみたいだ。この研究はブラックリストに入れた。こんなことをしたら大変だ。君を知っているんだ。君は、ジャズピアニストだろ?最年少の。さらには海外で活動しようとしている人物」
 対象者は淡々とどこか楽しそうに話し出した。
 カナエは無言を貫いた。素性がバレている。冷や汗をかいた。
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