Who?
私は目を細め、小人を凝視した。小人も寸分変わらぬ態度で凝視してきたが、態度は硬化させたままだった。
 そして、私は口を開いた。
「そういえば思い出したことがあるの」
「なんだい」
 小人はそっけない声だった。
「白雪姫に出てくる小人って、実は可愛らしくないのよ。もっとグロテスクで残酷なの。なんていうのかしら。はぐれ者というか物乞いというか。森のはずれに住んでるのよ」
「あなたには僕はそう見えてるの?」
 小人はすかさず切り返した。
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