Who?
「ちぇっ、お高くとまってんじゃねえよ」
 という負け惜しみの言葉をきくのが快感でもあった。むしろカナエが悪いのではない。魅力のない、あなたたち、に問題があるのだ。論点をずらしてはいけない。男というのは可哀想な生き物であり、常に頭の中は女の裸で埋め尽くされている。間違いない。断定できる。どんなに偉そうな男も、どんなに格式高い男も、どんなに優秀であろう男でも、頭の中は女の裸だ。服を着た女を脱がすことだけを考えている。どうやってベッドインまで持っていくか、意識下にあることは間違いないだろう。そこまで女のことで一杯ならば、女を使ったビジネスを起こせばいいのだが、それはそれで問題が勃発だろう。女性差別だ。女性を卑下している、と歴史的背景を振りかざし、ああでもない、こうでもない、論争が巻き起こり、決着は見ない。なににせよ女という生き物は時代が変わろうが、弱い生き物でもあり強い生き物だ。よくいうじゃないか、男には強き腕力を与え、女には強き心が与えられた、と。
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