Who?
「気休めを求める人はいるかもね。予言で」
「ご名答」
「あのさ。突然声のトーンが低くなるのと、『ご名答』はやめた方がいいわよ。なんでかわかるか?」
「流行らないから、ですね」
「ご名答」
 カナエはいった。 
 運転手はリアクションに困っていることが明白だったが、スルーした。焦らすのも一つの手だ。沈黙に困ったのか、運転手はラジオのスイッチを入れた。ジャズが流れた。それもシダーウォルトン。これがリクエスト曲だったら、コアなファンだな、とカナエは舌打ちをした。
「この曲をご存知で」
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