Who?
『ああ、だめね。それじゃ。全体の統一感が欠けているわ。音像がぼやけている』
 やめて。
「はい?今なにかいいましたか」
 運転手は冷ややかな声を放った。
 カナエは目を瞑っていたらしい。
「もうそろそろね」
 カナエは自宅付近の見慣れた光景を横目にいった。
「随分、お疲れのようですね」
「ええ、仕事が立て込んでてね」
「気をつけてください。現実は厳しいことの連続ですから」
< 78 / 250 >

この作品をシェア

pagetop