Who?
ジャーン
 ああ、いけない。
 眠っていたらしい。
 大きな音が聞こえた。
 何年、いや何十年も触れないでいた異物の音。
 カナエはソファーの上で寝ていたらしい。辺りを見回し、女がいないことに気づいた。壁時計が目に入り、午前二時だった。一時間ほど眠っていたらしい。冷静に頭の中をフル回転させ現状を推察した。三段冷蔵庫の中断からペットボトルの水を取り出し、一気に飲み干した。寝起きというほどではないが、目覚めは喉が渇いた。喉の渇きを癒し現状を推察した結果、これといった妙案は浮かばなかった。
 音の聞こえた方。
 触れたくない現実にカナエは向かった。
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