二次元なんかに負けてたまるかっ!!
Case2:マンガVS僕
うーん、困った…

え、何が困ったって?


聞いてくれるかい?

僕の彼女のことなんだ。


実は彼女、大のマンガ好きなんだ。

いや、別にそれが悪いと言ってるわけじゃないんだよ。

僕だっていい年して、まだ週間少年誌とかコンビニで立ち読みしちゃうし。


そんくらいなら君も経験あるだろ?


じゃあ、僕の彼女の何が問題かって?


彼女は「読むこと」じゃなくて「集めること」に熱意を注ぐんだ。

一度気に入ったマンガ家さんがいれば、徹底的に集める。


それこそ絶版になっているデビュー作から、最新の画集までとことんなんだ。


休みの日のデートといえば、本屋さん巡り。

大きな本屋にたまに連れて行けば、声をかけない限り、一時間でも二時間でも居座る雰囲気だ。


そして、少しでも安く集めようと、古本屋さんをとても好む。

何軒もはしごして、一番安く手に入れようとする。

僕は近辺の古本屋さんをくまなく回る。


あぁ、その本への情熱を僕の愛車のガソリンにも注いで欲しいくらいだ。

実は僕って、いわゆるアッシー君?



そもそも何で付き合いだしたんだっけ…


そう思いながらも今日も彼女の家に車を走らせる。

玄関のドアを開けた彼女は部屋着だった。

中に入るように手招きする。


あれ、前より少し部屋がスッキリしてる。


彼女が自慢げにDVDと、あるマンガを僕に差し出した。


あ、これ、付き合いだす前に二人でいいねぇって言ってたDVDだ。


そっか、これをきっかけに付き合いだしたんだっけ。


古い作品だったから、やっと古本屋でこのDVDの原作マンガを見つけたの。と彼女が笑った。


安っぽいラブストーリー。

そんな安っぽさに負けない、僕らの安っぽいラブストーリー。
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