ひまわりに恋して
1.恋の始まり
桜の蕾があちこちでほころぶ季節。
ふわふわした風が気持ちよくて、
リビングのソファでつい、うたた寝もしたくなるそんな陽気。
愛猫の‘みーや’もタンポポの綿毛みたいにまぁるくなって私の膝にいる。
「なんだみーや♡みーやも春を感じてんの〜?」
おでこを撫でられるのが好きな仔だからそうするとね、‘‘にゃー’’って鳴くんだ。
ほらね、今も。
「そうかそうかー。分かる仔だねー。
春はのんびりできていーねー。」
二人(二匹?)でほっこりしていると、
バコンって鈍い音と痛みが同時にやってきた。
「いたーい!」
「夏菊、暇してるよね?」
お母さんが雑誌を持って立っている。
私を叩いたのはソレだな。
「暇…じゃない。」
「お母さんはそれを暇と習ったわ。
っていうことで夏菊は暇してるみたいだからお花買ってきてちょーだい。」
「お花?」
「おばあちゃんこの間退院したじゃない。留守の間にお花が枯れちゃって元気無いの。だから買って届けてきてね。」