運命を辿って 〜僕らが出会ったのは〜
大学へ進学するために家を離れた私は一人暮らしをしていた。
アパートに荷物を運んでいた記憶が残っている。
この街は何度も来ていたからある程度の場所は分かっていた。
田舎からわざわざ都会まで来てくれた両親と面会した時、酷く泣いて私を抱きしめてくれた。
大学や病院との手続きもしてくれた。
両親の事は覚えていても荻野さんの様に大学で出会った人達を思い出せない私。
その時私は大丈夫と言葉を投げかけた。