運命を辿って 〜僕らが出会ったのは〜
ダンボールの箱の中には付箋が沢山付いた教科書や参考書、ノート。
化学基礎や、電子基礎、物理基礎…。
そして心理学の参考書だった。
――――今の愛には、心理学の参考書は必要ない。
俺達の運命は…どうなるんだろう。
このまますれ違ったままなのかな。
そう思いながら視線を落とすと小さな封筒に気づいた。
手に取ってみると、〈荻野さんへ〉と封筒の表に書いてあった。
俺はゆっくりと開けてみる。