運命を辿って 〜僕らが出会ったのは〜
それから、俺達はよく食堂で話す仲になった。
君が人の心を、俺が人の体をお互いに学んだ事を話し合った。
『私はね、全ての考えが頭じゃないと思ってるの。』
『そうなんだ。感覚で覚えるとかかな?』
『例えばそうね、頭の中の記憶じゃなく魂が宿る場所に記憶はあると思うの。』
『凄いなぁ。それが君の学んでいる事?』
『人間でも誰でもそう。生き物が死んだ時、身体は滅んでも魂は生きてると母に教わったの』
『確かにそうだな』
『…あなたは運命や奇跡を信じる?』
『俺はあんまり信じないかな…』
『私は信じるわ。どんな時でも希望を捨てなければ必ず奇跡が起こるって。』
そう君が言ったあの冬の日……――――。
……