運命を辿って 〜僕らが出会ったのは〜


ゆっくりとドアを開けた。


俺は愛を直視出来ず、俯いた。

緊張して胸が高鳴っていた。


俺は握りしめた花束を愛の膝元にそっと置いた。


…何から話せばいいんだ。


気持ちだけが焦って上手く言葉がまとまらない。


「あの…どちら様…ですか…?」


分かっていた。
それなのにその言葉が辛く感じた。


「―――…荻野、…荻野勇輝です」
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