私のエース
「スイマセン。メールを送ったのは俺です。名前がなかったから誰がくれたのかと思いまして」
「そうか、それなら仕方ないか……って仕方ない訳がない!」
」
先生はそう言った後マジな顔になって、全員を見回した。
「なあみんなどうした? クラスメートが此処から突き落とされて殺されたんだよ。何で正直に話してくれないんだ」
先生はその答えを暫く待っていた。
でも誰も名乗り出てはくれなかった。
「良し、それならリダイアルだ」
先生は溜め息を吐きながら携帯をいじっていた。
――ガラーン。ガラーン。
掛かって来たのは俺の携帯だった。
(えっ!?)
それはみずほの携帯からのみの着信音だった。
「先生その携帯みずほのです!」
俺は思わず叫んでいた。
すっかり忘れていたみずほの携帯。
『助けてー!』の後のメールは、同じ携帯からだったのだ。
誰かがメルアドを変えて送ってきたのだ。
其処から見えた計画性。
それはみずほは間違えて殺されたのではないことを証明していた。
(何が善意の第三者だ!! みずほ許してくれー!!)
俺は愚かな考えを反省しながら献花に目を遣りながらみずほに謝った。
俺はあの日の光景を思い出した。
あの献花の場所から見上げた屋上。
あの日この場所でみずほを平然と眺めていたクラスメートの顔を思い出した。
口角を上げ、微笑みを浮かべていたクラスメート達を……
(あれこそが殺意そのものだったんだ!!)
俺はもう一度コンパクトの文字を見つめた。
あの日試した鏡面回顧。
もう一度やってみるしかないようだった。
俺はこっそり陰でコンパクトを開け、あの文字を見つめた。
その途端に又閉めた。
鏡面に邪悪な何が取り憑いたような圧倒的な力を感じたからだった。
コンパクトは力を増していた。
死化粧を……みずほの最期の化粧を……俺はみずほの顔をこのコンパクトで飾った。
俺の思いとみずほの思い。
そして死化粧をしてくれた納棺師の思いが一つになって……
でも本当にそれだけだったのか?
それなら良いのだが……
「そうか、それなら仕方ないか……って仕方ない訳がない!」
」
先生はそう言った後マジな顔になって、全員を見回した。
「なあみんなどうした? クラスメートが此処から突き落とされて殺されたんだよ。何で正直に話してくれないんだ」
先生はその答えを暫く待っていた。
でも誰も名乗り出てはくれなかった。
「良し、それならリダイアルだ」
先生は溜め息を吐きながら携帯をいじっていた。
――ガラーン。ガラーン。
掛かって来たのは俺の携帯だった。
(えっ!?)
それはみずほの携帯からのみの着信音だった。
「先生その携帯みずほのです!」
俺は思わず叫んでいた。
すっかり忘れていたみずほの携帯。
『助けてー!』の後のメールは、同じ携帯からだったのだ。
誰かがメルアドを変えて送ってきたのだ。
其処から見えた計画性。
それはみずほは間違えて殺されたのではないことを証明していた。
(何が善意の第三者だ!! みずほ許してくれー!!)
俺は愚かな考えを反省しながら献花に目を遣りながらみずほに謝った。
俺はあの日の光景を思い出した。
あの献花の場所から見上げた屋上。
あの日この場所でみずほを平然と眺めていたクラスメートの顔を思い出した。
口角を上げ、微笑みを浮かべていたクラスメート達を……
(あれこそが殺意そのものだったんだ!!)
俺はもう一度コンパクトの文字を見つめた。
あの日試した鏡面回顧。
もう一度やってみるしかないようだった。
俺はこっそり陰でコンパクトを開け、あの文字を見つめた。
その途端に又閉めた。
鏡面に邪悪な何が取り憑いたような圧倒的な力を感じたからだった。
コンパクトは力を増していた。
死化粧を……みずほの最期の化粧を……俺はみずほの顔をこのコンパクトで飾った。
俺の思いとみずほの思い。
そして死化粧をしてくれた納棺師の思いが一つになって……
でも本当にそれだけだったのか?
それなら良いのだが……