私のエース
磐城君の女装が終わり急いでカフェまで戻る。
さっき外から見ていた場所で確認すると、町田百合子と福田千穂はまだ其処に居てくれた。
どうやら二人は真剣に話し合っているようだった。
私と磐城君はその背中越しの席に腰を下ろした。
磐城君が小型録音機のスイッチを入れる。
それと同時にじっと聞き耳を立てた。
手持ちぶさたの私は鞄の中から手鏡を出した。
化粧する真似をしながら、二人の様子を伺うつもりだった。
途端にドキッとした。
みずほが磐城君に送った、コンパクト越のウインクを思い出したがら……
(ヤバい。向こうに気付かれる!? バレたらどうしよう)
磐城君をそっと見たら青ざめていた。
(今の磐城君なら二人に気付かれないだろう。だったら私も化粧をすればいいんだ)
私は遂に開き直った。
運ばれてきたコーヒーを飲んで、少しだけ落ち着いてきた時遂に二人が話し始めた。
『ねえ、次に死ぬのは誰にする?』
福田千穂だった。
私は自分の耳を疑った。
『だって三連続なんでしょう? 誰かが続かなきゃ意味無いと思うのよ』
千穂はさも当たり前のように言った。
(えっ、三連続って何? あ、あのことかな?)
私の住んでいる地域には三連続で死が発生すると言う迷信がある。
所謂こじつけだと思うけど……
一人が死に……次の人が死ぬ。
そんな時、死が呼んだとか言って恐れたのだった。
だから注意しろと言う暗示らしい。
(まさか……その最初の死って?)
私はそれが父の死かも知れないと思った。
(だとしたら、みずほの死の原因を作ったのはこの私だ)
もしそうだとしたら、私は磐城君に何て言って謝ったらいいのだろうか?
父の死はやはり突然死によるものだった。
それは心臓突然死と呼ばれるものだった。
心臓に栄養と酸素を運ぶ冠動脈が動脈硬化を起こして狭くなり、其処に血栓が詰まったりすると発祥するらしい。
やはり私が原因だったようだ。
でも父が死んだと学校に連絡が入ったのはかなり後だった。
もしかして……
今更だけど、私は私の企みが父に死をもたらせたのではないことを祈っていた。
さっき外から見ていた場所で確認すると、町田百合子と福田千穂はまだ其処に居てくれた。
どうやら二人は真剣に話し合っているようだった。
私と磐城君はその背中越しの席に腰を下ろした。
磐城君が小型録音機のスイッチを入れる。
それと同時にじっと聞き耳を立てた。
手持ちぶさたの私は鞄の中から手鏡を出した。
化粧する真似をしながら、二人の様子を伺うつもりだった。
途端にドキッとした。
みずほが磐城君に送った、コンパクト越のウインクを思い出したがら……
(ヤバい。向こうに気付かれる!? バレたらどうしよう)
磐城君をそっと見たら青ざめていた。
(今の磐城君なら二人に気付かれないだろう。だったら私も化粧をすればいいんだ)
私は遂に開き直った。
運ばれてきたコーヒーを飲んで、少しだけ落ち着いてきた時遂に二人が話し始めた。
『ねえ、次に死ぬのは誰にする?』
福田千穂だった。
私は自分の耳を疑った。
『だって三連続なんでしょう? 誰かが続かなきゃ意味無いと思うのよ』
千穂はさも当たり前のように言った。
(えっ、三連続って何? あ、あのことかな?)
私の住んでいる地域には三連続で死が発生すると言う迷信がある。
所謂こじつけだと思うけど……
一人が死に……次の人が死ぬ。
そんな時、死が呼んだとか言って恐れたのだった。
だから注意しろと言う暗示らしい。
(まさか……その最初の死って?)
私はそれが父の死かも知れないと思った。
(だとしたら、みずほの死の原因を作ったのはこの私だ)
もしそうだとしたら、私は磐城君に何て言って謝ったらいいのだろうか?
父の死はやはり突然死によるものだった。
それは心臓突然死と呼ばれるものだった。
心臓に栄養と酸素を運ぶ冠動脈が動脈硬化を起こして狭くなり、其処に血栓が詰まったりすると発祥するらしい。
やはり私が原因だったようだ。
でも父が死んだと学校に連絡が入ったのはかなり後だった。
もしかして……
今更だけど、私は私の企みが父に死をもたらせたのではないことを祈っていた。