私のエース
松尾有美の依頼は、恋人の素行調査だった。
「何でも、結婚を約束した恋人が最近冷たい。浮気をしているかどうか調査してほしいと言う依頼だった」
「その恋人って? もしかしたら……」
「お前には確か内緒だったな。その恋人と言うのが高校の先生だった」
「やっぱり。それは俺の担任だ。あれは偶然じゃなかったんだ。有美が頼んだのか……」
俺は何が何だか解らなくなった。
それでも俺は、有美に悪意の無かったことを信じようと思った。
全ては、自分の父親によって引き裂かれた恋人同士のためなんだと……
それなのに……この時俺は感じた。
父親殺しの片棒を担がされたことを。
もしかしたら本当に、継母と先生の恋の応援だったのかも知れない。
先生が、あの日語ってくれた真実。
もしもそれを口実に、気に入らない父親を殺したのだとしたら……
俺はそれでも、有美を信じたかった。
でも、
浮気現場のツーショット写真が心臓発作に繋がったことは真実のようだった。
俺はその時思い出した。
父親が亡くなった時、松尾有美は学校に居たと言う真実を。
(って言う事は……あの、先生の恋人だった人も関与しているのかも知れない)
俺は自分の考えが怖くなった。
それでも何れは明らかにしなくてはいけないことだと感じていた。
それは全てが先生のためになると思っていた。
有美と継母が犯人ではないと確信するために。
(でももし……本当に犯人だとしたら。そうだよ……俺も叔父さんも、殺人に加担したことになる)
いくら知らなかったとはいえ、元警察官が関与した犯罪になる。
俺はイワキ探偵事務所の未来が心配になった。
俺は勝手に推理した。
先生の恋人が真犯人とならないことを念頭において。
有美が朝学校へ出掛ける前に、父親にあのツーショット写真を見せ付ける。
勿論継母にも誰にも気付かれないように。
そして、父親が心臓発作を起こす。
有美はそのまま学校へ行った。
と。
俺は担任の先生の大事な人が、犯人でないことばかり考えていた。
家政婦代わりにこき使われ、挙げ句に財産目当てだとして籍にも入れて貰えなかった。
そんな人が犯人とは思えなかった。
思いたくなっかった。
犯人にしたくなかった。
たったそれだけの理由で。
俺はその人をリストの中から排除しようとしていたのだ。
「何でも、結婚を約束した恋人が最近冷たい。浮気をしているかどうか調査してほしいと言う依頼だった」
「その恋人って? もしかしたら……」
「お前には確か内緒だったな。その恋人と言うのが高校の先生だった」
「やっぱり。それは俺の担任だ。あれは偶然じゃなかったんだ。有美が頼んだのか……」
俺は何が何だか解らなくなった。
それでも俺は、有美に悪意の無かったことを信じようと思った。
全ては、自分の父親によって引き裂かれた恋人同士のためなんだと……
それなのに……この時俺は感じた。
父親殺しの片棒を担がされたことを。
もしかしたら本当に、継母と先生の恋の応援だったのかも知れない。
先生が、あの日語ってくれた真実。
もしもそれを口実に、気に入らない父親を殺したのだとしたら……
俺はそれでも、有美を信じたかった。
でも、
浮気現場のツーショット写真が心臓発作に繋がったことは真実のようだった。
俺はその時思い出した。
父親が亡くなった時、松尾有美は学校に居たと言う真実を。
(って言う事は……あの、先生の恋人だった人も関与しているのかも知れない)
俺は自分の考えが怖くなった。
それでも何れは明らかにしなくてはいけないことだと感じていた。
それは全てが先生のためになると思っていた。
有美と継母が犯人ではないと確信するために。
(でももし……本当に犯人だとしたら。そうだよ……俺も叔父さんも、殺人に加担したことになる)
いくら知らなかったとはいえ、元警察官が関与した犯罪になる。
俺はイワキ探偵事務所の未来が心配になった。
俺は勝手に推理した。
先生の恋人が真犯人とならないことを念頭において。
有美が朝学校へ出掛ける前に、父親にあのツーショット写真を見せ付ける。
勿論継母にも誰にも気付かれないように。
そして、父親が心臓発作を起こす。
有美はそのまま学校へ行った。
と。
俺は担任の先生の大事な人が、犯人でないことばかり考えていた。
家政婦代わりにこき使われ、挙げ句に財産目当てだとして籍にも入れて貰えなかった。
そんな人が犯人とは思えなかった。
思いたくなっかった。
犯人にしたくなかった。
たったそれだけの理由で。
俺はその人をリストの中から排除しようとしていたのだ。