私のエース
対峙
俺が屋上で行ったみずほの慰霊祭。
その内容を知らない二人は、又キューピット様をやろうと言い出した。
もし又キューピッド様を遣るように言われたら、積極的に参加してほしいとあの時俯いた女生徒達に呼び掛けていた。
勿論、みずほの事件のことは知らせないでほしいと念を押して……
又犠牲者が出ると、彼女達は渋った。でも理解してくれたと俺は思っていた。
あの二人が誰を殺したがっているのか言えない。
『もうみずほのような犠牲者は出したくない。だから犠牲者となるかも知れない人を救いたいんだ』
俺はそう言った。
その時俺は誰の名前が書かれたのかだけを知らせてほしいと頼んでいた。
方法は簡単だ。
机の上に消ゴムを置くだけだった。
そして……その結果出た答えは《まつおゆみ》だと知った。
かねてよりの計画通り担任には、見渡せる場所にいて松尾有美を守ることを頼んでいた。
勿論先生は渋った。教え子を疑うことに難色を示した。
そこで俺は、録音した二人の声を聴かせた。
先生の顔が、見る見る変わる。
俺や有美同様、相当ショックを受けたようだった。
そして頷き、そのまま屋上へと向かった。
みずほの堕ちた柵から見えない屋上の階段へと続くドアの横。
二人で充分検証した結果、此処が最適だということになった。
父親を殺した有美。
みずほを殺した、百合子と千穂。
証拠がある訳ではない。
でも確信があった。
(みずほ俺の考え間違っているか? それでも俺あの二人から有美を救ってやりたいんだ)
屋上へと上がる階段。
外へ出るドア。
階段とステップを囲むコンクリートの壁。
その横に階段と言うか、鉄製のハシゴが付いていた。
其処は蛇口に水を送るためのタンクだったのだ。
万が一のためだった。
俺は……勿論先生だって……二人が犯人とは思いたくなかったのだ。
何かの間違いだと思いたかった。
でもそれは現実だった。
前々からエースに恋い焦がれている女生徒達に、二人は着々と松尾有美の自殺説を広めていたのだった。
その内容を知らない二人は、又キューピット様をやろうと言い出した。
もし又キューピッド様を遣るように言われたら、積極的に参加してほしいとあの時俯いた女生徒達に呼び掛けていた。
勿論、みずほの事件のことは知らせないでほしいと念を押して……
又犠牲者が出ると、彼女達は渋った。でも理解してくれたと俺は思っていた。
あの二人が誰を殺したがっているのか言えない。
『もうみずほのような犠牲者は出したくない。だから犠牲者となるかも知れない人を救いたいんだ』
俺はそう言った。
その時俺は誰の名前が書かれたのかだけを知らせてほしいと頼んでいた。
方法は簡単だ。
机の上に消ゴムを置くだけだった。
そして……その結果出た答えは《まつおゆみ》だと知った。
かねてよりの計画通り担任には、見渡せる場所にいて松尾有美を守ることを頼んでいた。
勿論先生は渋った。教え子を疑うことに難色を示した。
そこで俺は、録音した二人の声を聴かせた。
先生の顔が、見る見る変わる。
俺や有美同様、相当ショックを受けたようだった。
そして頷き、そのまま屋上へと向かった。
みずほの堕ちた柵から見えない屋上の階段へと続くドアの横。
二人で充分検証した結果、此処が最適だということになった。
父親を殺した有美。
みずほを殺した、百合子と千穂。
証拠がある訳ではない。
でも確信があった。
(みずほ俺の考え間違っているか? それでも俺あの二人から有美を救ってやりたいんだ)
屋上へと上がる階段。
外へ出るドア。
階段とステップを囲むコンクリートの壁。
その横に階段と言うか、鉄製のハシゴが付いていた。
其処は蛇口に水を送るためのタンクだったのだ。
万が一のためだった。
俺は……勿論先生だって……二人が犯人とは思いたくなかったのだ。
何かの間違いだと思いたかった。
でもそれは現実だった。
前々からエースに恋い焦がれている女生徒達に、二人は着々と松尾有美の自殺説を広めていたのだった。