恋という名の迷路 ~甘くて苦い迷宮~
そして次の日‥‥
「よしっ、ゆういこっ?」
「私やっぱやだっ…!」
私は駄々をこねてた。
バスケ部の活動場所、体育館までは来たものの女子が多すぎてどうせ見えないし…
「結良!美愛ちゃん!」
湊が待ってましたと言わんばかりの笑顔で手を振る。
そんな事したら…ほらっ、
女子の目が怖い……
「あ、湊〜!中で見学ってできたりする?」
え、ちょっ、美愛!
そう思い服を引っ張ったがもう出てしまった言葉は消えなくて…
「ん?先輩に聞いてみるわ〜」
いつの間にか湊のおかげもあって、体育館の隅に座っている。
はぁ…帰りたい。
「あ、あれが栗島怜くんだよ?」
あの可愛い男の子?
ん〜…会ったことないと思うけどなぁ…
そう、じっと見つめてると栗島くんがこっちに走ってきて、
「なになに?女の子いる〜!どーしたの?」
と興味深々で聞いてくる。
目がクリクリしてて可愛い、そんな印象の男の子。
「あ、実はこの子湊の幼馴染で〜、」
「あっ、じゃあ君が櫻木さん??」
「えっ、あ…はい?」
「これからよろしくなっ!」
え……?
何が??
私はまだ知らなかった。
この時既に迷路のスタート地点についていたことに…